在宅勤務に関する税制と助成金について

在宅勤務に使う費用関する税制がルール化

かねてから「在宅勤務は企業が支払うべき電気代等のコストを従業員に押し付けている」という声は結構あった。

おそらく、そういった声を受けて税制が整備されたのであろうが、求められているのはこういうことではない。

詳しいルールは以下のリンクから。PDFファイルで上がっている。

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0020012-080.pdf

まあ、使うことはないだろうな

以下の文章を読めば理解できるが、これは「実費分を企業経由で精算した場合のみ」税制の対象になる。

在宅勤務に通常必要な費用について、その費用の実費相当額を精算する方法により、企業が従業員に対して支給する一定の金銭については、従業員に対する給与として課税する必要はありません(【問3】参照)。

なお、企業が従業員に在宅勤務手当(従業員が在宅勤務に通常必要な費用とて使用しなかった場合でも、その金銭を企業に返還する必要がないもの(例えば、企業が従業員に対して毎月 5,000 円を渡切りで支給するもの))を支給した場合は、従業員に対する給与として課税する必要があります。

なので弊社のような「毎月1万円」を支給しているケースは対象外となる。

さらに、通信料や電気代の精算方法も明記しているが、これを毎月個々人確認して精算することは馬鹿らしいを超えて不可能だ。
特に大規模な上場企業においては、この税制を導入することで決算に間に合わなくなる可能性がある。絶対に導入できないと思う。

最初にこれを見たときに、「個人事業主」の納税方法がベースになっているなと感じた。個人事業主はこんな感じで精算している。
ただ、自分で決算~納税の責任を行う個人事業主と、それを肩代わりする企業ではケースがまるで異なるにも関わらずだ。
「私は従業員全員の家の床面積を調べるんかいw」と驚いた。そんなことするわけないでしょう。

この制度は事実上使えないので、この金額を超えると推定される「固定の在宅勤務手当」を毎月支給するのが合理的だと考えられる。
ちなみにこの作業を踏んだところで帰ってくる税金もたかがしれている。(数十円~数百円にもならないのでは)

この制度の設定自体は大した意味を持たない気がするが、国税庁が公表しNHKがニュースにするもんだから、在宅勤務手当を導入していない企業にはプレッシャーになるのかもしれない。
(とりあえずルール化して公表することで社会に起こる間接的な効果を目指しているかもしれないけど、それは国税庁の仕事なのだろうか?)

在宅勤務手当を導入していない企業の社長・人事責任者に関しては、従業員からこの制度の導入を請求されたらたまったもんじゃないので、とっとと在宅勤務手当を導入すると良いと思う。
(毎月定額か、在宅勤務日1日あたりn円が妥当だろう)

リモートワーク助成金に関して思うこと

東京都ではテレワークの助成金も行われている。
これは元々はオリンピック開催時の交通混雑を避けるために導入され、以降は新型コロナウイルス対策として、何度も導入されている。

https://www.shigotozaidan.or.jp/koyo-kankyo/joseikin/2-teichaku.html

弊社も導入にあたって結構コスト割いているので、新たに入る社員の分などで申請しようと思ったが、難しいなと感じた。
使いにくいと思った点は2つある。

1つ目はPC。10万円未満のものでなければいけない。我々のようなIT企業において10万円未満のPCで仕事している人間は1人もいない。
全員ゲーミングPCかiMac, MacBookのいずれかである。

そもそもPCが10万円未満なのは税制が悪い(固定資産になるので)と思うんだが。せめて30万円未満にしないと、気軽に最新式のPCが買えないので、生産性・セキュリティの向上に寄与しないと思うんだが。
当然のように10万円未満のPCで仕事させる・仕事していると想定するのは誰も得しないと思う。

2つ目は椅子・机・モニターといった什器が対象外になる点だ。在宅勤務において机・椅子・モニターは肝心要の本丸だ。要潤だ。

このへん厚労省は分かっているようで、机椅子だけでなく、そもそも部屋の広さや照明、エアコンなどにも言及している。

https://www.mhlw.go.jp/content/000553510.pdf

ノートPCさえあれば在宅勤務ができるわけではないし、在宅勤務を導入した結果心身を壊しては意味がない。
そして、オフィスというのは思ったよりも働く環境に金をかけている。弊社ですら1席に10万円以上かけている。PCを別にしてだ。

「どうせ助成金を導入するなら」、より従業員が快適に仕事できるように補助できる制度であることを願っている。